- HOME>
- トリコモナス
こんなお悩みありませんか?
- 下着に黄緑色のおりものが付いている
- おりものに泡状の泡が混じっている
- おりものがすごくくさい
- 外陰部や腟がかゆい・ヒリヒリする
- 性交時に痛みがある
- 排尿時に痛みや違和感がある
- 何度治療してもなかなか治らない尿道炎の症状がある
このような症状がある方は、腟トリコモナス症かもしれません。早めの検査と治療で改善できる感染症です。
トリコモナス感染症とは?
トリコモナス症は、トリコモナス・バジナリス(Trichomonas vaginalis)という原虫による性感染症です。昔から知られている感染症の一つで、世界中で最も一般的な性感染症の一つとされています。トリコモナス感染症の特徴は、感染しても症状が出ないことも多く、知らないうちに感染が広がることがあります。他の性感染症と比べて幅広い年齢層で見られ、特に中高年の方でも珍しくないという特徴があります。
感染経路
トリコモナス感染症は主に性的接触によって感染します。特に感染者との性交渉で感染リスクが高まります。また、感染した人が使用した下着やタオル、入浴時の浴槽、トイレの便器などを介して感染することもあると言われています。そのため、性交渉の経験がない方や幼児でも感染することがあります。
症状の特徴
女性の症状
女性の場合、腟トリコモナス症に感染すると次のような症状が現れることがあります。
- 泡状で悪臭を伴う黄緑色のおりもの(最も特徴的な症状)
- 外陰部や腟のかゆみやヒリヒリ感
- 性交痛
- 排尿時の痛みや違和感
ただし、感染している女性の約20~50%は無症状といわれています。そのため、パートナーからの感染に気づかないことも多いのです。症状がある場合でも、3分の1程度の人は症状が出るまでに6か月ほどかかることがあります。
男性の症状
男性の場合は一般的に無症状であることが多いですが、尿道炎の症状を示すこともあります。
- 尿道からの分泌物
- 排尿時の痛みや違和感
- かゆみ
男性では症状が軽い場合が多く、気づかないまま感染を広げてしまうことがあります。また、尿道だけでなく前立腺や精嚢にも感染することがあるため、治療には注意が必要です。
トリコモナス感染症を放置すると
トリコモナス感染症が長期間放置されると、このような影響があることが知られています。
- HIVなど他の性感染症にかかりやすくなる
- 骨盤内感染症(PID)のリスクが高まる
- 妊婦の場合、早産や低出生体重児出産のリスクが高まる可能性
診断方法
検査方法
顕微鏡検査
腟分泌物や尿道分泌物を採取し、顕微鏡で動いているトリコモナス原虫を確認します。活発に動く原虫が見つかれば確定診断となります。
※女性の場合、腟が赤く炎症を起こしていることが多く、顕微鏡検査では「いちご状」と呼ばれる特徴的な子宮頸部の様子が見られることもあります。
培養検査
専用の培地を使って原虫を培養し検出します。顕微鏡検査よりも感度が高く、より正確な診断が可能です。
その他の検査
最近では遺伝子検査などの新しい検査方法も開発されています。
中でも、マイコプラズマ・ジェニタリウムとトリコモナスのPCR検査が保険適応となり、検出感度が高いとされています。
診断のポイント
トリコモナス感染症の診断では、症状だけでなく検査結果を総合的に判断することが重要です。女性の場合、泡状で悪臭のある黄緑色のおりものは特徴的な症状ですが、これらの症状がある患者さまの約半数にしか見られません。また、他の性感染症(クラミジアや淋菌など)と合併していることも多いため、総合的な性感染症検査を受けることをおすすめします。
トリコモナス感染症の治療方法
トリコモナス感染症(腟トリコモナス症)の治療には、5-ニトロイミダゾール系という種類の抗原虫薬(メトロニダゾールやチニダゾールなど)が用いられます。これらの薬は原虫だけでなく、腟炎の原因となる嫌気性菌にも効果があり、症状の改善に有効です。
基本的な治療法
メトロニダゾール内服
- 250mg 1日2回、10日間内服
- 単回投与の場合は1.5g 1回のみ内服(保険適用外)
チニダゾール内服
- 200mg 1日2回、7日間内服
- 単回投与の場合は、2g 1回のみ内服
治療上の注意点
- 腟トリコモナス症は、自分が治療しても感染しているパートナーから再感染する可能性があります。そのため、パートナーも同時期に同じ期間の治療を受けることが重要です。
- メトロニダゾールやチニダゾールの服用中および服用後3日間は、アルコールを摂取すると腹痛、嘔吐、顔面紅潮などの副作用(アンタビュース様作用)が現れることがあるため、飲酒は避けてください。
- 妊娠初期(3か月以内)の方への経口投与は原則として避け、腟錠での治療が勧められます。最近の研究では、妊娠中期・後期での安全性は確立されているとされていますが、医師の判断に従うことが大切です。
- 一度の治療で10日間程度にとどめ、追加治療が必要な場合は1週間程度間隔をあけることが推奨されています。
妊婦の治療
妊婦、特に妊娠初期(3か月以内)の方には、メトロニダゾール腟錠(250mg 1日1回、10~14日間)による局所治療が推奨されます。
難治例・再発例の治療
治療に抵抗を示す症例や再発を繰り返す場合は、次のような対応が検討されます。
- 異なる薬剤への変更
- 投与量や投与期間の調整
- 経口薬と腟錠の併用療法
治療の効果判定と治療後について
治療が効いたかどうかは、2つで判断
- かゆみや異常なおりものなどの症状がなくなったかチェック
- 検査で原虫がいないことを確認
女性の場合は、生理が終わった後にもう一度検査することをおすすめします。これは生理中に原虫が増えることがあるためです。きちんと治療すれば、90~95%の方が治ります。パートナーが同時に治療を受ければ、再発する心配は少なくなります。
トリコモナス症のよくある質問
トリコモナス症は他の性感染症と違いますか?
はい。トリコモナス症は原虫(トリコモナス・バジナリス)によって引き起こされる感染症で、細菌やウイルスが原因の他の性感染症とは異なります。そのため、抗生物質ではなく、抗原虫薬による治療が必要です。
パートナーに症状がなくても治療は必要ですか?
はい、必要です。特に男性は症状が出ないことが多いため、パートナーに症状がなくても感染している可能性があります。再感染を防ぐためにも、パートナーとの同時治療が重要です。
一度かかると再発しやすいですか?
トリコモナス症は再発することがあります。再発の原因としては、治療が不十分だった場合、パートナーからの再感染、自分の腸管などに残っていた原虫からの自己感染などが考えられます。再発を防ぐためには、完全な治療とパートナーとの同時治療が大切です。
妊娠中でも治療できますか?
妊娠中でも治療は可能です。ただし、妊娠初期(3か月以内)は経口薬の使用を避け、腟錠での治療が推奨されます。妊娠中期・後期については比較的安全とされていますが、必ず医師の指示に従ってください。
トリコモナス症の治療薬は副作用がありますか?
メトロニダゾールやチニダゾールには副作用として、腹部の痛み、吐き気、金属味、頭痛などが報告されています。特に重要な注意点として、服用中および服用後3日間はアルコールを摂取しないようにしてください。アルコールを摂取すると、顔面紅潮、頭痛、吐き気などの強い副作用が現れることがあります。
東梅田泌尿器科では、腟トリコモナス症の診断・治療をおこなっております。
適切な検査と治療により、早期の症状改善と再発防止をサポートいたします。特に、繰り返す感染でお悩みの方や、パートナーとの同時治療が必要な方も安心してご相談ください。プライバシーに配慮した環境で、経験豊富な泌尿器科専門医が丁寧に対応いたします。
腟トリコモナス症は適切な治療で改善できる病気です。気になる症状がある方は、お一人で悩まずにお早めにご相談ください。